Omiya Park Life

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by 大宮戦術談議会

契約更新が発表された酒井宣福選手の強みとは

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今シーズン2番目の契約更新のリリースは酒井選手と吉永選手でした。
今回は、酒井選手をピックアップして話していきたいと思います。

 

酒井選手は2018年シーズンにアルビレックス新潟から加入しました。
加入前に持っていた印象は、「適性ポジションがハッキリしない選手」でした。というのもアルビレックス新潟時代はSBやSHで起用されていた一方で、レンタル先のアビスパ福岡ではFWとして起用されていました。

 

彼の特徴といえば、

  • 超イケメン
  • サイドの選手としては恵まれた伸長(180㎝)
  • 屈強なフィジカル
  • 豊富なスタミナ
  • ターンが苦手
  • 初速が遅い

というイメージを持っている方が多いと思います。
しかし、彼の特徴はこれだけではありません。
酒井選手は両足を使うことが出来ます。


加入した2018年シーズンに当時の石井監督によって右SBにコンバートされています。珍しい左利きの右SBとして一時注目されていたと思います。
起用された当初は逆足のサイドでの起用によって、サイドの深い位置でボールを持っても素早くクロスを供給できなかったり、供給できてもそのボールの質の悪さが目立っていたと思います。
しかし、試合回数を重ねるごとに徐々に右足の精度も向上し、一定レベルで右足も使える選手となりました。石井監督の下で右SBを経験したことで選手の幅が広がりました。

左利きの選手が右足も使えると何が良いのか…。
それは、相手選手のポジショニングによってプレーを自由に選択できることでしょう。

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左サイドで右利きの選手がボールを受けると詰まりやすい

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左サイドで左利きの選手がボールを受けるとスムーズに無効化出来る

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右足を使える酒井選手は縦の選択肢を切られても相手を無効化出来る。


図に示した通りですが、相手選手が中央を切るようにプレスを仕掛けてきた場合には左足でボールを受けてそのまま縦にボールを運べば相手選手を無効化することが出来ます。

一方で、縦の選択肢を切られた際には左利きの選手は困ることになります。
中央にいる味方は相手選手に捕まっている可能性が高いのでパスできませんし、ドリブルしたいコースは相手に立たれてしまっています。
(内側にドリブルしようとすると相手選手にボールを晒すことになるので出来ない)

しかし、右足も使える酒井選手は縦の選択肢を切られても右足でカットインドリブルをすることで相手選手にボールを晒さずに内側にドリブルして相手選手を無効化することが出来ます。

 

このように、通常は困る状況下でも両足を使える強みを活かして対面する選手を無効化出来る(後出しじゃんけんのようにプレーを変えることが出来る)のは彼の強みです。
ボールの動かし方を覚えれば、リーグでも有数の選手になれると思います

 

シーズン終盤は連戦の疲れからかパフォーマンスが低下していた酒井選手ですが、大宮の誇るストロングポイントの1つと言えると思います。
仮に両足が使えなかったとしても、彼の恵まれた体格からくるサイドでの質的優位性(一般的にサイドの選手は身長が低いこと)を活かしたロングボールのターゲットマンとしての働きはチームとしてとても助かるシーンが多かったと思います。

 

来シーズンの大宮アルディージャがどのようなサッカーを目指しているのか定かではありませんが、ボール保持が出来るチームを目指していても、プレス強度とカウンターの鋭さがより強化されたチームを目指していたとしても彼は出場機会を得ることが出来ると思いますし、とても重要な選手の1人となるでしょう。

 

では。