Omiya Park Life

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by 大宮戦術談議会

~縁の下の力持ち~ 茨田陽生

このブログで初めて記事を書くダレオです。

アイドルと料理をこよなく愛する大学生です!!

 

(本題に入ります)

 

また1人、戦士が去っていった。

茨田陽生

 

 

僕は、この選手がここに来た時から一目置いていた。

茨田は柏の下部組織で育ち2010年にトップチームへ昇格。世代別の日本代表に選ばれたり、チームの主力、ACLでも好成績を収めた。

そんな凄い選手がどうして大宮に!?と思ったのが今では懐かしい…。

当時はそれ程、大宮に来たいと思う魅力があったのでしょう。

 

ゴラッソ製造機と呼ばれる。ゴラッソじゃないゴールは鹿児島戦のみ。

ちなみに、茨田がゴールを決めると負けないというジンクスがある。

茨田は僕のブログでも以前説明した通り、最も苦労した選手だと思う。

dareo41.hateblo.jp

その彼の歴史を再び詳しく追っていこう。

 

『天からアルディージャを観測していた神目線の観戦記録』 

 

2017年

柏レイソルから完全移籍で加入した。

当初は岩上・横山コンビだったが、終盤に横谷・大山で安定した。のに!とったのはきっと更なる強化と脱・家長、泉澤を図ったのだと思った。

大山のパスセンスや経験値を更に上回る茨田を補強することにより、思いがけないところにパスを出して、相手を混乱させ、判断する隙を与えず、中盤を有利にしようと思った。

しかし、思い描いた図とは異なり、チーム改革は失敗し、夏の補強などでその場しのぎをしようとしたものの、補強も当たらず、チームはJ2へ降格している

結果論ではあるが、補強組を組み込む前のメンバー、フォーメーションでやってればJ1に残れていたと思う。

この試合は2-0で勝っていたのに、福森にFK2発ぶち込まれて引き分けた。しかもATだったので余計に。札幌はこれを転機に強くなり、大宮はこれを機に戦い方が迷走し、低迷したように感じた。


【公式】ハイライト:大宮アルディージャvs北海道コンサドーレ札幌 明治安田生命J1リーグ 第18節 2017/7/8

 

 さて、また話は茨田に戻りまして。

開幕戦の川崎戦にボランチで先発。持ち前のパスで数々の好機を演出。試合は敗戦するも、フル出場で存在感を発揮した。

 

この年は何と言っても、ダービーで浦和相手に突き刺した超絶ミドル!8試合未勝利だった大宮にダービーでシーズン初勝利をもたらした。

この茨田が喜びを爆発させて飛び上がる姿はほぼ見ないのでどれだけ嬉しいか分かりますよね?

しかもこれゴール見ずに打ってるんですよ。

また、渋谷さんの笑顔がいい。


【公式】ゴール動画:茨田 陽生(大宮)63分 大宮アルディージャvs浦和レッズ 明治安田生命J1リーグ 第9節 2017/4/30

 

今となっては不動のスタメンの茨田だが、この年は2度の監督交代新戦力と調和出来ないなどと、定位置を確保できない苦しいシーズンであった。

 

次の年。

昨年チームはJ2へ降格し、チームに合わなかった茨田は正直残るとは思っていなかったので嬉しかったが、茨田の為にも移籍した方がいいんじゃないかと思った。

昨年同様に開幕戦に先発。守備では難ありも、攻撃では昨年よりも長い時間存在感を発揮。しかしスタメンの期間は短く、成長著しい大山にスタメンの座を明け渡す。

 

大宮で燃焼せずに去ってしまうと思ったが、転機が訪れる。H横浜で途中出場すると、トドメにゴラッソを二発叩き込んだ。

「どうぉー?私が打ち込んだシュートは?」と顔で語ったあとの茨田の笑顔には浦和戦とは違った「やっと・・・やっと・・・この感覚だ!!」と言っているようにも見えた。

僕はこの時、スタジアムにはいなかったが、テレビの前で興奮が抑えられなかった。

そして2点目。”ピクシー”こと、ドラガン・ストイコヴィッチを思い出すかのような雨の日リフティングで相手を翻弄(ほんろう)し、逆足でゴール左隅へ突き刺した。

これに関しては凄すぎて笑うしかなかった(笑)

それ以来、その年では、嶋田がいた右サイドハーフのポジションを勝ち取り、不動のスタメンとなり、要所でゴールを決める選手になっていった。


【公式】ゴール動画:茨田 陽生(大宮)77分 大宮アルディージャvs横浜FC 明治安田生命J2リーグ 第18節 2018/6/10

 


【公式】ゴール動画:茨田 陽生(大宮)80分 大宮アルディージャvs横浜FC 明治安田生命J2リーグ 第18節 2018/6/10


ストイコビッチが華麗なリフティングドリブル!【あの年の今日】

 

次の年。

大宮で不動のスタメンになって初めてシーズンの頭から期待されている状態で迎える。

今年から3-6-1の編成を採用。シーズン当初から茨田のシャドーが重視されたが、序盤は中々持ち前のパスや動きを発揮できない。

しかし、茨田は只者ではない。10試合足らずでシャドーのタスクをこなし、定位置を確保。ほぼ全試合に出場して要所で勝負強さを発揮。むしろ茨田がいない5試合の戦績は1勝4敗、唯一の途中出場時もスコアレスドロー(0-0)と良くない。

 

今年の茨田はひと味違った。普段の性格や風貌とは裏腹に闘志をむき出して、相手に身体をぶつけ、ボールを奪い、苦しむ時間帯に走る背中を見せる。

人一倍チームへの責任感が強くなり、シャドーのミカさんのような存在であった。

きっとその姿勢が柏への恩返し弾と現れたのだろう。これはエモかった。

 


11/2・柏戦 44分 サイドから入ったボールをフアンマ デルガド、奥抜侃志、イッペイ シノヅカがダイレクトでつなぎ最後は茨田陽生が押し込んで逆転!!

実際、この試合終了後、談義会で肩を組み、喜び、泣く人もあった。
僕には茨田の恩返し弾や古巣相手にみせた姿勢もそうだが、2017年シーズンにチームとともに、あれだけ迷走に陥ってしまった選手が、今では大宮に欠かせない選手になってくれたのがとても嬉しい。苦しい時期を知っているからこその感情なので分かってもらえるかは分からないが、分かって頂ければこの上ない喜び。

 

今シーズン、茨田は特にシャドーでのポジションどり、プレスのかけ方など、数字に残らない部分で何度も大宮を救ってきた。37試合で5得点を記録した。

恐らくこれで茨田はMFのポジションで、不可能なポジションは無くなった

 

まとめ

茨田陽生。凄い選手だった。

加入当初はパスセンスに長けていてボレーやミドルシュートがうまい選手。スナイパーというイメージだったが、今では前者はもちろんだが、チームのために走り、誰よりも責任感が強いといういぶし銀へと変わっていった。

 

とにかく数字に現れない部分でチームに貢献する「縁の下の力持ち」

 

結果が出なくても、ひたむきにトレーニングをこなす。まるでイチローのように、大宮に来てからも継続してたからこそ、正に昨年から徐々に結果が出始め、今年それが開花した。

その姿勢が報われたことが何よりも嬉しい。

大宮でしっかりと活躍してポジションの幅も広がり、人間としても更に逞しく(たくましく)成長した。

昨年、チームの結果が出なかった時にやってた「Laさいたま」で毎回それを茨田は目に焼き付けていた。その時毎回目が合ったのも懐かしいなぁ。

移籍してしまったのは悲しいけれど、移籍して悲しいと思える選手になってくれて本当にありがとう。

更なる活躍と対戦できる日を Looking forward to

 

ダレオ