Omiya Park Life

Omiya Park Life

by 大宮戦術談議会

オレンジキューブでの結婚パーティの思い出 by みやさっこさん

※特に注釈のない本記事内の(@〜)表記はすべてTwitterのアカウントネームを指します

ある日のことでした。

 

ちくきくんのふとした興味から出たこのお話し。

 

 

アルディージャ

クラブハウスで結婚パーティ

 

こんなワードがでてきたら、

そりゃもう聞きたくなるに決まってます笑

 

というわけで今回、みやさっこ(@omiya3835)さんに

当時のお話を伺ってきました!

 

 

みやさっこという男。その始まり

 

(以下、太字:ヨシまる み:みやさっこさん)

 

-まずは簡単なサポータープロフィールを教えてください。

いつ頃からアルディージャをお好きになったんでしょうか?

 

み:元々は横浜フリューゲルスを観ていたんですよ。

すごく熱心に応援してるって方じゃなかったんですけど、チームが無くなっちゃったことで心にぽっかり穴があいちゃって。「でも、ほかのチームっていうのもなぁー」というのも感じながら色々なチームの試合を断片的に観ていました。

 

時は流れて2006年。

アルディージャがNACK5スタジアム(当時の大宮公園サッカー場)改修のために駒場競技場で試合をしていた時期ですね。

当時駒場の近くに住んでいたんでよく招待券をもらっていたので、

それがきっかけで「アルディージャを継続的に観てみよう」と思いました。

まあ、あんまり強くないチームが元々好きなんですよ。

 

-『サッカーに興味を持ったのが先で、その後にアルディージャがきた』

という感じなんですね。

 

み:とはいえ、はじめのうちはまだ’一人の世界’

NACKに改修されてからもしばらくはバックスタンドで、

誰かと共感・共有する訳でもなく、『チケットを買って、一人で観て、一人で帰る。』

完全に個人の趣味として観ていました。

 

ここまでバズるきっかけになったのは2012年、

退団するラファエル選手を空港で見送った時ですね。

 

www.ardija.co.jp

 

-それはどなたかがご提案されたものですか?

 

み:当時クラブからもラファエル選手の帰国便が告知されていましたし、たぶん、僕みたいに本当に心の底から「見送りをしたい!」と思った方々が自然発生的に集まったんじゃないでしょうか。ラファエル選手と来た人みんなで写真撮ってたりしました。

 

これがきっかけで、アルディージャを熱心に応援されてらっしゃる方等、知り合いが一気に増えて、アルディージャが個人で楽しむものから共有できるものに変化しました。 

Twitterというツールを使いだしたのもこのあたりだと思います。

Twitterネームも数字で表す事が出来て(3835)キャッチーな「みやさっこ」にしました。

このTwitterというツールを使う事で何人かで集まってアウェイに行こうと企画しはじめたんですが、何回かやっていたらそれが一種の団体みたいに変わってきました。 

ある日チーム名をつけたんですが、それが『チームみやさっこ

僕はずっと「変えてくれ」って言ってるんですけど、面倒だからこのままでいいと笑

 

-そのチームみやさっこは今も活動していらっしゃるんですか

 

み:みんなが社会人になったり生活の変化があるのですが、今でも細々と動いています。

ただ、 ORANGERさん達のように事前にクラブと調整・準備までして活動している方々もいらっしゃるので、それに対して僕らのようにいい加減な団体があまり表にしゃしゃり出たりはしないようにというのは意識しています。

まあ、そもそもチームとしてがっちり活動しているというわけではありません。

超ユルい団体です。

 

チームみやさっこ - 華麗なる活動の歴史

 

み:一番初めにあった大きなものが、いわゆる’邪神像ムーブメント’ですね。 

『アルディ木目込み人形』というのがクラブのグッズとして売られていたんですが、

メンバーのハルタイキ(@haltaiki)さんが「邪神像!」とか呼び始めてて、チーム内でも流行ったんですよ。

 

www.saitama-dentousangyou.com

 

正月にあったチーム飲み会でメンバー4〜5人が邪神像を持ち寄って写真を撮ってTwitterで上げてたら、それが瞬く間に他の方々にもその通称で広まっていきました。

そのほかにも事あるごとに持って行って写真を撮ってTwitterに上げていました。

プレースキックの魔除けにも使っていました。

 

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当時の集合写真。なんとも神々しい。




 

 

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熱心な布教活動も行なわれる

 

 

その影響か、オレンジスクウェアにいつ行っても置いてあるぐらい売れていなかったグッズだったんですが、完売。

2018年に再販されるんですが、即日完売。

製造元のいふじ人形店さんも驚いてましたね。

 

注:ここまでの登場人物全員、 

『グッズ自体はひとつひとつ丁寧に作ってくださったとても由緒正しいもの』

と認知・敬愛したうえでのネタです

 

 

み:他には’ネタゲーフラ’を作ったりなどもしました。

 

-今までで一番お気に入りのゲーフラは何でしょうか

 

 み:『超・秘密兵器マテウス』ですね。

 

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こちらもご持参いただきました


 

 

マクロスのパロディですね笑

 

み:マテウスバイーアから戻ってきたタイミングで作りました。

前回所属時に1度だけ出場したのが天皇杯ガンバ大阪戦。

一回バイーアに帰って、戻ったタイミングでも出場するということで、本当はそのためだけに作ったものです。 

 

マテウスがまだ背番号42だった頃、ユニフォームを買う人が誰もいなかったんです。

バイーアから帰ってきた時も買いましたが、この2年はマテウス加入時には既に大人用のオレンジは在庫として残っていなかったので、おそらくマテウスのユニフォームは誰も買ってないと思います。

 

こんなマテウス愛をもってこのゲーフラを作ったんですが、みんな笑ってましたね。

これがきっかけで『マテウスといえばみやさっこ』みたいな感じで当時はよく指差されてました。何と言うかもう、引くに引けない状況だったんですよ笑

 

-それが今では J 1優勝クラブのメンバーですね笑

 

当時は即戦力というよりは育成して売るための選手として獲得したのかなとも思っていました。とはいえマテウスがいなくなった時は悲しかったです。

外国籍選手で在籍年数が2番目に長い選手でもありますから。

 

-擬似的な生え抜き選手みたいなものですからね

 

み:いやもう生え抜き選手でしょう笑

 

www.instagram.com

なお、マテウス選手ご本人にも気に入ってもらえたようです 

 

まさかのクラブハウスでの結婚パーティ

 

み:僕はあるきっかけでサポーター仲間と結婚する事になったんですが、

「そういえば昔、アルディージャってスタジアムウェディングとか企画やってたよな」と思い出して、ダメ元でアルディージャに「僕らもやりたい!」とメールを送ったんです。今考えれば物凄く無謀ですね。

 

そこでわかったのは、「NACK5スタジアムアルディージャの持ち物ではないので、スタジアムではできないよ」という事でした。

前回(2008年第28節の柏レイソル戦)の時はクラブ10周年企画のためだけに県に協力いただいたというのが真相です。

ただクラブ側からの提案がありまして、「スタジアムは無理なんだけれど、出来たばかりのクラブハウス(オレンジキューブ)ではどうか」と。結局社長まで通して頂き、採用頂きました。

 

やると決めたはいいものの、この先は本当に大変でした。

そもそもクラブハウスは選手が優先で使用する前提の施設。使用するにあたっての制限も厳しかったですね。言い方は悪いですが、「場所はお貸ししますから、その他の手配はご自身でお願いします」という感じです。

まあ、クラブとしても前代未聞の事だったのでどうやっていいかわからなかったんですね。

 

まず日程。

ホームゲームの時はそんなのやってる余裕がない。

アウェイの日曜日は選手が土曜日の試合から戻ってきて調整するので使えない。

かといって土曜日でも、翌日遠方アウェイでの試合がある日なら、今度は出席するサポーター側がそちらに行ってしまっているから候補にできない。

アルディージャのスタッフもある程度いないと難しいよねという事で、ここで「日曜日アウェイで近場の試合時の土曜日」しかダメでした。

結局10月にやったんですが、当時はクラブが降格しそうだったタイミングだったので、「こんなときにオレンジキューブで結婚パーティやる様なアホーターとバカクラブ。どこまでお気楽なんだ?」って叩かれましたね。

改めて書くのですが、パーティやる事自体は開幕前に決まってました。

ただし正式に日時が決まったのは3ヶ月前です笑

 

設備確認や打ち合わせでクラブハウスを何度か伺いました。

調理場は選手の食事を作る場所なのでケータリングを、飲み物は熱心なアルディージャサポーターがいらっしゃる松澤屋さんにお願い致しました。

 

www.grandvin.net

 

会場の装飾とか制約が多かったんですが、一番ネックだったのがデザインで、「デザインなんか無理だよね」と悩んでいたんですが、、、見つかるんですね。

12logさん(@_12Log)に描いてもらうようにお願い致しました。

 

補足:12log(わんつーろぐ)さん

漫画家。

現在、ヤングアニマルにて『フットボールアルケミスト』を連載中

 ↓作品紹介ページ(ヤングアニマル公式)

ヤングアニマルweb|白泉社

 

-どうやってコンタクトをとったんですか!?笑

 

み:SNSで依頼したところ引き受けていただきました。

当時でもおこがましい話ですが、 プロになった今じゃもっと考えられないですよね笑

「やったことないですけどとりあえずやってみますね」という感じで、結局はメッセージボードとテーブルクロス、それから冊子の中に使用するイラストを作成していただきました。

12logさんには感謝しかありません。

 

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当時のメッセージボード(上)とテーブルクロス(下)

 

このパーティの肝なんですが、企画立案は自分達でかなりやったとしても当日は自分達は主賓だから殆ど動けない。実際に動いて貰えるスタッフがかなりの人数必要なんです。

幸いスタッフはサポーター仲間にお願いをしたんですが、当日スタッフとゲストの見分けがつかないと色々作業しづらいよなと思ってスタッフポロシャツを作って無償配布しました。

こっちは「みやさっこならコレだろう!」ということで作っていただきました笑

いちアパレルとして着れるようには考えていたんですが、結婚パーティ後も着てくださる方が居たりとうれしかったですね。

 

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邪神像、再び降臨。

 

次にコンテンツ集めですね。何もないと暇ですから。

当時交流のあった動画投稿者の方や演奏できる方に動画作成提供していただいたりしてコンテンツを増やしていきました。不思議と自然発生で色々出てくるんですよ。

ハルタイキさんとPK 対決もしましたね。

これは北野(北野貴之)選手と顔が似ているとよく話題に上がっていたからというだけの理由です笑

 

あと、これも熱心なサポーターの方が中心に動いてくれたんですが、選手だけでなく、渋谷洋樹監督やクラブスタッフ、それから当時社長の鈴木茂さん、当時のOle!アルディージャアシスタントの伊藤京子さん。と、ほぼ全員からお祝いメッセージビデオをいただきました。

高瀬くん(高瀬優孝選手・現ザスパクサツ群馬所属)はまだ加入初年度でしたので、今では考えられないぐらい真面目なコメントでしたし、北野選手は変わらずの北野節でした笑

 

もう出来そうなものは全部やってやろうって思ってましたから、全然わからなかったんですが当日Ustream生放送なんてのもやりました。当時海外に留学していたチームみやさっこメンバーが居て、彼が見てたみたいなんですね。やってよかったと思いました。

 

クラブ側からのプレゼントとしてはアルディが来てくれました。ミーヤ様は居なかったですけど。マスコットが来てくれるとは思ってなかったので嬉しかったですね。

挙式当日のMCは高森さんにお願いしました。

高森さんしか居ないだろうと。クラブを通してお願いをして、打ち合わせしました。

 

補足2:高森浩二さん

NACK5ラジオパーソナリティ

NACK5スタジアムのスタジアムDJとしてもファン・サポーターの間ではおなじみ

https://www.nack5.co.jp/personality_143.shtml

 

まあいろいろありましたが何とか当日までこぎつけられました。

自分で準備していて思ったのは、

「ウェディングプランナーさんとか、専門職としてやってる方は相当忙しいんだな」と。尊敬しちゃいますね笑



-いろんな方のご協力を得て無事開催されたわけですが、結婚した後のサポーターライフの変化だったり、クラブとの付き合い方というのは変わったりしたのでしょうか

 

み:クラブスタッフの方から顔を覚えられていただいたりはありましたが、

特に付き合うスタンスは変わったりなどはありませんでしたね。

あとは、「この人、クラブハウスで結婚パーティしたんだぜ」と色々な人に紹介されました。

凄い事やったんですねぇー。笑

僕の場合は奥さんもアルディージャのサポーターなので観に行けないというのもなかったですね。よく移籍の噂なんかがニュースサイトで上がると、 LINE で「あの選手どうなの?」なんて来たりもします。

 

-人によっては結婚したりなど、生活環境が変わってスタジアムに行けなくなる方もいらっしゃったりするみたいですね

 

み:理解のある人でしたから、そういう意味では僕は幸せなのかなと思います。

 

-これから奥様とご一緒に応援していただければと思います

 

み:ありがとうございます。 

~縁の下の力持ち~ 茨田陽生

このブログで初めて記事を書くダレオです。

アイドルと料理をこよなく愛する大学生です!!

 

(本題に入ります)

 

また1人、戦士が去っていった。

茨田陽生

 

 

僕は、この選手がここに来た時から一目置いていた。

茨田は柏の下部組織で育ち2010年にトップチームへ昇格。世代別の日本代表に選ばれたり、チームの主力、ACLでも好成績を収めた。

そんな凄い選手がどうして大宮に!?と思ったのが今では懐かしい…。

当時はそれ程、大宮に来たいと思う魅力があったのでしょう。

 

ゴラッソ製造機と呼ばれる。ゴラッソじゃないゴールは鹿児島戦のみ。

ちなみに、茨田がゴールを決めると負けないというジンクスがある。

茨田は僕のブログでも以前説明した通り、最も苦労した選手だと思う。

dareo41.hateblo.jp

その彼の歴史を再び詳しく追っていこう。

 

『天からアルディージャを観測していた神目線の観戦記録』 

 

2017年

柏レイソルから完全移籍で加入した。

当初は岩上・横山コンビだったが、終盤に横谷・大山で安定した。のに!とったのはきっと更なる強化と脱・家長、泉澤を図ったのだと思った。

大山のパスセンスや経験値を更に上回る茨田を補強することにより、思いがけないところにパスを出して、相手を混乱させ、判断する隙を与えず、中盤を有利にしようと思った。

しかし、思い描いた図とは異なり、チーム改革は失敗し、夏の補強などでその場しのぎをしようとしたものの、補強も当たらず、チームはJ2へ降格している

結果論ではあるが、補強組を組み込む前のメンバー、フォーメーションでやってればJ1に残れていたと思う。

この試合は2-0で勝っていたのに、福森にFK2発ぶち込まれて引き分けた。しかもATだったので余計に。札幌はこれを転機に強くなり、大宮はこれを機に戦い方が迷走し、低迷したように感じた。


【公式】ハイライト:大宮アルディージャvs北海道コンサドーレ札幌 明治安田生命J1リーグ 第18節 2017/7/8

 

 さて、また話は茨田に戻りまして。

開幕戦の川崎戦にボランチで先発。持ち前のパスで数々の好機を演出。試合は敗戦するも、フル出場で存在感を発揮した。

 

この年は何と言っても、ダービーで浦和相手に突き刺した超絶ミドル!8試合未勝利だった大宮にダービーでシーズン初勝利をもたらした。

この茨田が喜びを爆発させて飛び上がる姿はほぼ見ないのでどれだけ嬉しいか分かりますよね?

しかもこれゴール見ずに打ってるんですよ。

また、渋谷さんの笑顔がいい。


【公式】ゴール動画:茨田 陽生(大宮)63分 大宮アルディージャvs浦和レッズ 明治安田生命J1リーグ 第9節 2017/4/30

 

今となっては不動のスタメンの茨田だが、この年は2度の監督交代新戦力と調和出来ないなどと、定位置を確保できない苦しいシーズンであった。

 

次の年。

昨年チームはJ2へ降格し、チームに合わなかった茨田は正直残るとは思っていなかったので嬉しかったが、茨田の為にも移籍した方がいいんじゃないかと思った。

昨年同様に開幕戦に先発。守備では難ありも、攻撃では昨年よりも長い時間存在感を発揮。しかしスタメンの期間は短く、成長著しい大山にスタメンの座を明け渡す。

 

大宮で燃焼せずに去ってしまうと思ったが、転機が訪れる。H横浜で途中出場すると、トドメにゴラッソを二発叩き込んだ。

「どうぉー?私が打ち込んだシュートは?」と顔で語ったあとの茨田の笑顔には浦和戦とは違った「やっと・・・やっと・・・この感覚だ!!」と言っているようにも見えた。

僕はこの時、スタジアムにはいなかったが、テレビの前で興奮が抑えられなかった。

そして2点目。”ピクシー”こと、ドラガン・ストイコヴィッチを思い出すかのような雨の日リフティングで相手を翻弄(ほんろう)し、逆足でゴール左隅へ突き刺した。

これに関しては凄すぎて笑うしかなかった(笑)

それ以来、その年では、嶋田がいた右サイドハーフのポジションを勝ち取り、不動のスタメンとなり、要所でゴールを決める選手になっていった。


【公式】ゴール動画:茨田 陽生(大宮)77分 大宮アルディージャvs横浜FC 明治安田生命J2リーグ 第18節 2018/6/10

 


【公式】ゴール動画:茨田 陽生(大宮)80分 大宮アルディージャvs横浜FC 明治安田生命J2リーグ 第18節 2018/6/10


ストイコビッチが華麗なリフティングドリブル!【あの年の今日】

 

次の年。

大宮で不動のスタメンになって初めてシーズンの頭から期待されている状態で迎える。

今年から3-6-1の編成を採用。シーズン当初から茨田のシャドーが重視されたが、序盤は中々持ち前のパスや動きを発揮できない。

しかし、茨田は只者ではない。10試合足らずでシャドーのタスクをこなし、定位置を確保。ほぼ全試合に出場して要所で勝負強さを発揮。むしろ茨田がいない5試合の戦績は1勝4敗、唯一の途中出場時もスコアレスドロー(0-0)と良くない。

 

今年の茨田はひと味違った。普段の性格や風貌とは裏腹に闘志をむき出して、相手に身体をぶつけ、ボールを奪い、苦しむ時間帯に走る背中を見せる。

人一倍チームへの責任感が強くなり、シャドーのミカさんのような存在であった。

きっとその姿勢が柏への恩返し弾と現れたのだろう。これはエモかった。

 


11/2・柏戦 44分 サイドから入ったボールをフアンマ デルガド、奥抜侃志、イッペイ シノヅカがダイレクトでつなぎ最後は茨田陽生が押し込んで逆転!!

実際、この試合終了後、談義会で肩を組み、喜び、泣く人もあった。
僕には茨田の恩返し弾や古巣相手にみせた姿勢もそうだが、2017年シーズンにチームとともに、あれだけ迷走に陥ってしまった選手が、今では大宮に欠かせない選手になってくれたのがとても嬉しい。苦しい時期を知っているからこその感情なので分かってもらえるかは分からないが、分かって頂ければこの上ない喜び。

 

今シーズン、茨田は特にシャドーでのポジションどり、プレスのかけ方など、数字に残らない部分で何度も大宮を救ってきた。37試合で5得点を記録した。

恐らくこれで茨田はMFのポジションで、不可能なポジションは無くなった

 

まとめ

茨田陽生。凄い選手だった。

加入当初はパスセンスに長けていてボレーやミドルシュートがうまい選手。スナイパーというイメージだったが、今では前者はもちろんだが、チームのために走り、誰よりも責任感が強いといういぶし銀へと変わっていった。

 

とにかく数字に現れない部分でチームに貢献する「縁の下の力持ち」

 

結果が出なくても、ひたむきにトレーニングをこなす。まるでイチローのように、大宮に来てからも継続してたからこそ、正に昨年から徐々に結果が出始め、今年それが開花した。

その姿勢が報われたことが何よりも嬉しい。

大宮でしっかりと活躍してポジションの幅も広がり、人間としても更に逞しく(たくましく)成長した。

昨年、チームの結果が出なかった時にやってた「Laさいたま」で毎回それを茨田は目に焼き付けていた。その時毎回目が合ったのも懐かしいなぁ。

移籍してしまったのは悲しいけれど、移籍して悲しいと思える選手になってくれて本当にありがとう。

更なる活躍と対戦できる日を Looking forward to

 

ダレオ

データによる2019シーズン総括 本編

omiyadangikai.hatenablog.com

どうも、Zdenko。 

導入編では今シーズン大宮アルディージャがどのような攻撃を展開していたかをFootball LABのデータを使って見てみました。この本編では私がハイライト動画を元に作成した得失点分析により集計したデータを使って、今シーズンの得失点に焦点を当てて、具体的にどのようなパターンにより得点あるいは失点していたかを振り返っていきたい(考察はほとんどしません)と思います。なお、手集計しているため、曖昧な部分があるので、大体そんな数字になるだろう程度のデータです。いやいや、それをそう分類するのはおかしい!と思うかもしれませんが、ご容赦ください。

なお、得失点はポゼッション、トランジション(カウンター)、セットプレーの3つに分類。ポゼッションとトランジションの区別としては、攻撃を開始してから相手に奪われることなくゴールに至った場合をポゼッション。相手が保持していたボールを奪ってゴールまで至った場合、ルーズボールや相手のクリアを拾ってゴールまで至った場合をトランジションに分類しています。
 
 
導入編まとめ
①セットプレー、中央攻撃、ショートカウンターによる攻撃が多い
②攻撃回数は少ないものの、速攻により高い割合でチャンスを作っている
ショートカウンターはリーグでも屈指のクオリティ
④引かれたときの攻撃は大きな課題だった

 

 

 

1.得失点分析から見る2019シーズン 攻撃の概観

(1)得点種別のシーズン推移

こちらの図は勝ち点、ポゼッションによる得点、トランジションによる得点、セットプレーによる得点の推移を表したものです。今シーズンはどのように得点源が変わっていったでしょうか。
1~16節はポゼッションとセットプレーがほとんどを占めており、トランジションがごくわずかです。今シーズンからキャプテンに就任した大前をチームの中心に据えたかったのは間違いありません。このため、彼にマッチしたポゼッション、セットプレーによる攻撃を志向したためであるからかと思われます。
チームの方針が変わったのは17節京都戦です。この試合からシーズン終盤まで、大前に代わって奥抜が起用されることが多くなり、チームは徐々にトランジションの割合を高めていくこととなります。一方で、大前というキックの優れた選手を控えに回したことは、セットプレーの停滞を生みました。
しかし、25節からファンマに変わりシモビッチがスタメンとなると、トランジションが停滞し、再びポゼッションとセットプレーによる得点が増えました
そして、32節からイッペイが左WBから右WBに回るようになると、ファンマがスタメンに復帰したこともあってか、トランジションが著しく上昇しています。
 
今度は得点種別ごとに整理してみましょう。簡単にまとめると以下のとおりになります。
 
得点種別のまとめ
①ポゼッション
・シーズンを通して安定して得点源になっている
 
・16~26節、33~39節での上昇が著しい
・ファンマ、奥抜、イッペイの出場が影響
 
③セットプレー
・1~12節で上昇、13~25節で停滞、26節以降で再び上昇
・大前、イッペイの出場が影響

 

(2)得点パターンの分析

(1)で得点種別がシーズンを通してどのように推移していったか大まかに把握できたと思います。それでは、各得点種別が具体的にどのようなパターンを持っていたのか、詳しく見ていきましょう。
 

①ポゼッションによる得点パターン

 
上図はポゼッションによる得点をパターン分けしたもの。合計で25あるうち、プレスを剥がしてのゴールが8つ、続いてロングボールをレイオフポストプレー)して奪ったゴールが6つでした。
 
プレス剥がしについては12節山口戦の2点、22節鹿児島戦の2点目と3点目、28節千葉戦の2点目などのように大宮が上手かったというよりも相手のプレスに難があったために得点できたゴールが多いです。ただ、相手のプレスどうこうは抜きにして、12節山口戦の2点目は見事でした。
 
プレス剥がし
 
また、ロングボール→レイオフのゴールですが、相手の間延びしているブロックに対してロングボールを放り込んでるケースが多いです。
 
ロングボール→レイオフ
 
増えてほしかったのが、ブロックのライン間やDH脇を使った攻撃で、こちらはわずかに2点。ただ、いずれの得点も見事な崩しでした。
 
ブロックのライン間やDH脇を使った攻撃①
 
ブロックのライン間やDH脇を使った攻撃②
 
 

トランジションによる得点パターン

 
トランジションによるゴールは19。ロングカウンターが5つ、サイドでの追い込みでボール奪取したパターンが5、中央での縦パスを奪取しての得点が4つでした。
 
ロングカウンターからのゴールは相手が前がかりになっている場面が多く、かつサイドから崩すことが多いのが特徴です。
 
ロングカウンター
 
サイドへの追い込みに関してはこれといって共通しているものはありませんが、チームとしてプレスをして奪ったパターンが2つと少ないのがやや残念です。
 
サイドへの追い込み
 
また、中央での縦パス奪取からのゴールですが、こちらはうち3つが奪取後にドリブルで運んでのゴールになっています。また、いずれのゴールも前からプレッシャーをかけ、ボールの出しどころを塞いでおいて、縦パスを奪っており、再現性を感じます。
 
中央縦パス奪取
 

③セットプレーによる得点パターン

そしてセットプレーでは18点取っているわけですが、その半分がコーナーキックによるもの。キッカーはイッペイが5、大前が3、奥井が1。しかし、FKはいずれも大前によるもので、コンスタントに出場していた15節までに6つのゴールに関与しています。また、スコアラーとして触れるべきは少ない出場機会にも関わらず3ゴールを挙げたシモビッチ、盾で殴った酒井、河本、畑尾あたりでしょうか。欲を言えば、シモビッチにはもっと点を取って欲しかったです。
 
大前の直接FK
 
 

2.得失点分析から見る2019シーズン 守備の概観

 

(1)失点種別のシーズン推移

一方で、こちらは勝ち点と失点の推移を示した図です。パッと目に付くのはポゼッションによる失点の多さです。と言っても、シーズンを通して失点し続けていたわけではなく、20節以降に急激な上昇を見せています。これは前から積極的にプレスを行うようになったことが原因です。
 

(2)失点パターンの分析

①ポゼッションによる失点パターン

上図はポゼッションによる失点を5つに分類したものです。左が1~19節。右が20節以降です。プレスに関係するデータとしてはプレス剥がし、ラインの裏や前線をシンプルに狙った攻撃のふたつです。プレス剥がしは言わずもがなプレスしようとして失敗したことによる失点。また、ラインの裏や前線をシンプルに狙った攻撃は7つある失点の内、実に5つがプレス陣形を取っていたところにロングボールや縦パスを入れられたことにより失点をしています。20節までの5失点はこの2種類による失点はなく、20節以降の23試合でふたつを合わせて11失点しています。これはシーズン通してだと52%、20節以降だと実に68%を占めることになります。攻撃面で改善が見られた一方で、当然ながらリスクもあり、実際に失点につながっていました。
しかし、一方で大外レーンからのクロスによる失点やその他(いずれも押し込まれての失点)はシーズンを通してもわずかに5点。これは間違いなく誇るべき数字でしょう。大宮DFラインのゴール前の守備のクオリティを示すものです。
 
 
プレス剥がし
 
ラインの裏や前線をシンプルに狙った攻撃
 
 
 

トランジションによる失点パターン

また、トランジションではサイドに追い込まれてボールロストして失点するパターンが6点、54%を占めます。このうち5つが右サイドでのボールロストでした。またほとんどがチームとしてプレスされたことにより失点してますが、ボールを奪われた選手が同じであるわけでもなく、奪われたエリアもまちまちで確信をもってあれだこれだ言えませんが、もしかすると、ボールロストしたシチュエーションというよりもボールロスト後の対応に左サイドと右サイドで差があったのかもしれません。
対象の失点を以下にリンクを貼り付けておくので、皆さんも考察してみてください。
 
第2節琉球戦1失点目
 
 第15節柏戦1失点目
(動画には映っていないが左サイドハーフウェイライン付近でスローインからボールロスト)
 
第18節岐阜戦1失点目
 
第23節京都戦2失点目
 
第29節愛媛戦3失点目(近藤選手のミドル&押し込み)
 
第31節町田戦1失点目
 

③セットプレーによる失点

また、セットプレーについては上図のとおりの内訳。驚嘆すべきはコーナーキックからの失点が3という少なさです。そのうち2つがサインプレー。残る一つが29節愛媛戦での山瀬にニアで決められたゴールです。つまり、普通のコーナーキックではほぼ失点を許していません。シーズンを通して43試合戦ってのこの結果は驚異的な数字です。また、PKやFK(直接)の少なさも評価できます。言い換えれば、危険なエリアでファウルをしていないということです。
 
29節愛媛戦 山瀬のゴール
 
 
以上、長々と読んでくださってありがとうございました。はじめにも書きましたが本記事は具体的にどのような得失点のパターンを持っていたかにフォーカスしたため、考察はほとんどしませんでした(これをどう考察すればいいのかという難題があったこともあって)。また、導入編にて書いたこととの関係性にも、各得失点種別同士の関係性(例:ポゼッションによるこの得点パターンは、トランジションによるこのパターンにつながりやすい)にも触れることはありませんでした。気力が出るか分かりませんが、後日、本記事をベースとした考察記事を作成したいとは考えています。私が無理ならきっとちくきくんが見事に考察してくれるでしょう。
 
最後に宣伝。本記事にて使用した得失点分析用のフォーマットですが、ご連絡いただければ提供可能です。ただ、他の人に共有する前提で作っていないので、数式が変だったり、分類方法の定義もあいまいです。それでも欲しいという方がいれば私までDMを下さい。活用してもらい、フィードバックをもらえればこの上なく喜ばしいです。
 
それではサッカーを愛してやまない皆さん、良いお年を。